METAL HEATING ELEMENT“PYROMAX”

金属発熱体 パイロマックス

金属発熱体 パイロマックス

金属発熱体「パイロマックス」は、Fe-Cr-Al系の3種類と、Ni-Cr系の1種類の計4種類の鋼種を用意しており高温領域迄対応可能です。
中でも、PX-C材は弊社独自の材料であり、高Alで、高い耐酸化性を発揮。また、PX-PM-D材は焼結法で耐高温変形性、耐酸化性を兼ね備えた材料で国内外で高い評価を頂いております。

PYROMAXの写真

パイロマックスの種類と特性

Fe-Cr-Al 系発熱体

PX-C

高Al、高Cr の合金で、電気抵抗率1.60μΩ・m を持つ高級電熱材です。
発熱体の最高使用温度も1400℃と高く、高温炉用発熱体として適しています。
またRX やDX などの浸炭性雰囲気中、およびAX やN2 など各種雰囲気中でも他材と比較して寿命が長く経済的です。
さらに、高抵抗を利用した抵抗材としてもご利用いただいております。

PX-DS

電気抵抗率が1.45μΩ・m の合金で、発熱体最高使用温度がPX-C 材と同じ1400℃の高温炉用高級発熱体です。
大気中の耐酸化抵抗に優れ、各種高温工業炉や電熱機器はもちろん、細線を要する家電用電熱機器などにご使用いただけます。
また、耐熱構造材や電子工業用抵抗材など、幅広くご使用いただけます。

PX-PM-D

PX-PM-Dは最高使用温度1420℃を誇る金属発熱体です。
粉末冶金製法・各種加工技術を駆使して製造しており、従来の溶製金属発熱体ではまったく得ることのでなかった、高い耐高温変形性や耐酸化性などを有しております。

特徴

・耐高温変形性に優れる
高温使用時(1,100 ~ 1,420℃)でも、電熱線の「ダレ」や「アバレ」などがほとんど生じません。

・耐酸化性に優れる 
電熱線表面に強固なアルミナ皮膜が生成され、長寿命となります。

・加工性に優れる
機械的性質に優れ、成形加工が容易にできます。

・電熱線の設計・施工が容易
電熱線の形状をきめる際、溶製合金材では変形性を考慮しなければなりませんが、高温、長時間使用しても変形がほとんどなく、また溶接性も優れておりますので、設計・施工が容易にできます。

用途

発熱体温度1,420℃までの高温炉、拡散炉、セラミックス焼成炉などにご使用いただけます。また、高温域使用の構造材としてもご使用いただけます。施工に際しては、PYROMAX-PM-D材の電熱線保持金具も用意しておりますのでご用命ください。

参考)耐高温変形性グラフ

耐高温変形性グラフ

Ni-Cr 系発熱体

PX-N1

JIS NCH-1 に相当する発熱体です。高温強度が高く冷間加工や溶接が容易で、高温使用後も脆化することがありません。
各種工業炉および電気抵抗材などにご使用いただけます。

<各種発熱体の仕様>
Fe-Cr-Al系発熱体 Ni-Cr系発熱体
PX-C PX-DS PX-PM-D PX-N1
標準化学成分 Al 7.5
Cr 26
Fe 残
Al 6.0
Cr 23
Fe 残
Al 6.0
Cr 23
Fe 残
その他微量元素
Cr 19 ~ 21
Fe 1 以下
Ni 77 以上
比重 7 7.1 7.1 8
熱誇張係数
20℃~1000℃
(℃ -1)
17×10-6 15.1×10-6 14.8×10-6 17.6×10-6
溶融点(℃) 1,490 1,500 1,500 1,400
電気抵抗率
20℃
(μΩ・m)
1.60±5% 1.45±5% 1.45±5% 1.08±5%
最高使用温度
(発熱体)
(℃)
1,400 1,400 1,420 1,100
酸化増量
1,200℃
(mg/cm2・h)
0.005 0.005 0.005 0.25以下
引張り強さ
Mpa
(kgf/mm2)
700 ~ 1,000
(70 ~ 100)
650 ~ 900
(65 ~ 90)
650 ~ 900
(65 ~ 90)
700 ~ 900
(70 ~ 90)
伸び(%) 10~25 15~25 15~ 25 20以上
ビッカース
硬さ
(HV)
250~270 220 ~240 220 ~240 150~ 190
寿命指数 ○U 300 以上 ○U 300 以上 ○U 300 以上 ○U 300 以上

注) ●寿命値 ○U JIS U 法 1,300℃ 
○I JIS I 法 1,200℃(比較値)

●機械的性質は標準寸法1 ~ 5 mmφ の丸線の値